2020年11月

新型コロナウイルス感染症の抗原検査について

新型コロナウイルスに関する新着情報

当院では、このようなキットを用いて抗原検査を行っています。

インフルエンザの検査と同様、鼻から咽頭ぬぐい液を採取します。

キットに検体を塗布し、15分で結果が出ます。

陽性の場合、結果は下の写真のように、Tと書いてある部分に赤い線が出ます。

陰性の場合、Cの青い線のみが出ます。

抗原検査結果は、このような用紙に結果の写真を添付してお渡ししています。

当院は、一般の患者様と、発熱のある患者様や検査を希望される患者様は空間を分離して検査を行っていますので、安心してご来院ください。

検査を希望される方は、直接内科には来院せず、あらかじめお電話にてお問い合わせください。

(0586)ー81-7001

無症状者に対する新型コロナウイルス感染症検査の注意点について 〔一般社団法人 日本感染症学会〕

新型コロナウイルスに関する新着情報

無症状者に対する新型コロナウイルス感染症検査での注意点について、日本感染症学会ホームページ 新型コロナウイルス感染症トピックスから掲載文を引用します。

ダイヤモンド・プリンセス号での検証で、新型コロナウイルス感染症に感染していても約半数が無症状である無症状病原体保有者であることが明らかになっています。

現在は、無症状の患者であっても医師が必要と判断した場合には PCR検査が実施できます 。

最近では、院内感染対策や濃厚接触者だけでなく、経済活動および国内での移動の再開による感染拡⼤への懸念から無症状者に対するスクリーニング⽬的での新型コロナウイルス検査が実施されています。

しかし、有病率が低い無症状者を対象に検査を実施する場合には、結果の解釈に注意が必要です。

無症状者に対する検査

医療機関や施設等での感染拡⼤を懸念してスクリーニング⽬的に検査を実施する場合には、偽陰性による⾒逃しを防ぐために感度が⾼い検査を実施する必要があります

精度が高いPCR検査は、無症状者に対する検査として使⽤することができると考えられます。

しかし、PCR検査時の⿐咽頭ぬぐい液の採取は患者様への負担があるだけでなく、実施にあたって適切な感染対策が必要です。

そのため、有症状者では⿐咽頭ぬぐい液と⾼い⼀致率を認める唾液 を⽤いることも選択肢となります。

厚⽣労働省は 2020 年 7 ⽉ 17 ⽇、新型コロナウイルス感染症の診断に⽤いる PCR 検査および抗原検査について、唾液検体を⽤いた検査の対象を無症状者(空港検疫の対象者、濃厚接触者など)にも拡⼤する⽅針を⽰しました。

これまで唾液 PCR 検査と唾液抗原定量検査は、発症 9 ⽇以内の有症状者が対象となっていました。なお、簡易検査キットを⽤いる抗原定性検査については、無症状者は従来通り対象としません。

抗原検査は簡便に実施できるという利点がありますが、精度の問題で、現状では無症状者を対象にスクリーニング⽬的で抗原検査を実施することは推奨されません

検査が陰性となった場合

検査で陰性となった場合は、「検体に遺伝⼦検査で検出できる数の新型コロナウイルスが含まれていなかった」ことを意味します。

そのため、検査で陰性であれば 新型コロナウイルス感染症への感染を否定できるわけではなく、感染初期で今後発症する可能性があることも含めて対象者に説明する必要があります。

検査が陽性となった場合

PCR検査の結果判定はガイドライン に⽰された⽅法で実施している施設が多いと考えられますが、図 1 に⽰すような増幅曲線の場合には陽性とすべきか判断が難しいです。このような場合には、同⼀検体もしくは新たに検体を採取して再検査をすることが望ましいです。

PCR 検査以外の検査で陽性となったときには、無症状でも新型コロナウイルスのウイルス量が多い可能性があります。

現時点ではこれらの検査の特異度は明らかでないものの、特異度が⾮常に⾼い検査であっても有病率が低い集団を対象として検査を実施した場合には陽性適中率は低くなります。

明らかな曝露歴のない無症状者を対象とする場合は有病率が⾮常に低いと考えられるため、検査で陽性となっても偽陽性の可能性を考える必要があり、PCR検査での再検査も考慮します。

無症状病原体保有者への対応

新型コロナウイルス感染症は指定感染症として定められているため、検査結果から無症状病原体保有者と判断された場合は、⼊院療養が基本となります。

しかし、対応可能な病床数には限りがあるため、地域によっては無症状者や軽症者は⾃宅や施設での療養も可能です。

⾃宅や施設で療養する場合には、適切な健康・感染管理を徹底する必要があります。

参考⽂献

厚⽣労働省. 新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚⽣労働省の対応について
(令和 2 年 6 ⽉ 19 ⽇版).

⽇本感染症学会、⽇本環境感染学会. 新型コロナウイルス感染症に対する臨床対応の考え⽅―医療現場の混乱を回避し、重症例を救命するためにー. 2020 年 4 ⽉ 2 ⽇.
厚⽣労働省. 疑義解釈資料の送付について(その 12)令和 2 年 5 ⽉ 15 ⽇.
国⽴感染症研究所. 病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.9.1 令和 2 年 3 ⽉ 19 ⽇.
厚⽣労働省. 唾液を⽤いた PCR 検査の導⼊について 令和 2 年 6 ⽉ 2 ⽇.
厚⽣労働省新型コロナウイルス 感染症対策本部. SARS-CoV-2 抗原検出⽤キットの活
⽤に関するガイドライン 令和 2 年 5 ⽉ 13 ⽇.

⼀般社団法⼈⽇本臨床検査医学会 新型コロナウイルスに関するアドホック委員会.
COVID-19 抗原検査についての基本的な考え⽅ 2020 年 5 ⽉ 26 ⽇(第 1 版).

国⽴感染症研究所. 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)検査法の運⽤についてのガイドライン
三宅⼀徳. 臨床検査の偽陽性と偽陰性について. ⽇本臨床検査医学会ホームページ
(https://www.jslm.org/committees/COVID-19/20200427.pdf).

国⽴感染症研究所. 新型コロナウイルス感染症、⾃宅療養時の健康・感染管理(2020 年 4 ⽉ 2 ⽇).

2020 年 7 ⽉ 31 ⽇

⼀般社団法⼈⽇本感染症学会

⼀般社団法⼈⽇本臨床微⽣物学会

⼀般社団法⼈⽇本臨床検査医学会

新型コロナウイルス感染症の検査を受けるタイミング

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新型コロナウイルス感染症の検査を受けるタイミングはいつがよい?

PCR検査陽性期間は、暴露後3日め(発症2日前)から発症後15日(70%が陽性)または33日(5%が陽性)です。
陽性率は、15日めは70%、21日目では32%、28日目では12%、33日目になると5%のみに低下します。
無症状の時期にも検査できますが、早すぎると偽陰性になります。

抗原検査陽性期間は、暴露5日目(発症0日)から発症後5日目までです。
無症状の時期に検査しても、検出できない可能性が高いです。陰性とでても、感染していないということにはなりません。まれに全く症状がなくても感染している人もあります。この場合は抗原検査陽性に出るでしょう。診察では判断できませんので、無症状の時期にはPCR検査を行なってください。

ちなみに、他者への感染可能期間は、暴露後3日め(発症2日前)から発症後10日目までです。

新型コロナウイルスに関する各種検査を考えるのに参考になる図 [*]を下に引用します。

発症5日前から発症後18日以後までのCOVID-19感染・症状の推移にそって、他者への感染可能時期に加えて、PCR検査、抗原、および抗体検査が有効な時期がまとめられています。

抗原検査については、下から2段目のオレンジ色のラインで表示されています。

[出典] "Coronavirus antigen tests: quick and cheap, but too often wrong?" Service RF. Science 2020-05-22 3;35 PM (EST)

新型コロナウイルス抗原検査とPCR検査の精度の違い

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抗原検査における抗原検知は以下のようになされます。

SARS-CoV-2の抗体を認識する抗体がセットされた検出用紙片に、検体を数滴たらし、抗原に対して抗体が示す反応を視覚的、または電気ていに検出することによって抗原を検知します。

抗原検査では、抗原を増幅することは無く、加えて、検出用紙片に流すために、検体をバッファー液で薄めることが、さらに感度を低下させることになります。

これらの結果、多くの抗原検査の感度は50%~90%の範囲に留まります

また、抗体が非選択的にも結合する傾向を帯びていることが課題で、偽陽性の可能性がわずかに存在し、特異度が完全に100%であるとも言えません。


UCLAのOtto Yangは、感度90%と特異度100%が達成されたとしても、それでも1,000人の感染者のうち100名を偽陰性と判定することになりその100名がスプレッダーとなるリスクを無視できないとし、検査結果はCOVID-19対策に混乱を招くことになるとしています。


一方、PCR検査では、RNAを増幅することで、数コピーのウイルス粒子も検出可能であり、感度98%と特異度ほぼ100%を実現しています。

PCR検査自体は非常に高感度の検査であり、偽陰性は測定の過程ではなく、拭い液採取の過程で不十分な検体採取のために生じることが多いです。また偽陽性も稀です。

新型コロナウイルス検査の空間分離対応について

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松前内科医院は、新型コロナウイルス感染の疑いがある方と通常の患者様を、空間的に完全に分けた診療が可能になりました。

これにより、新型コロナウイルス感染症の診療・検査医療機関として愛知県より指定を受けています

発熱者など何らかの感染の疑いがある患者様については、院内に入ることなくご自身の車の中で待機して頂き、車に乗ったままPCR検査及び抗原検査を行っていただきます。

当院裏の駐車場にカーポートを設置しましたので、雨天でも雨に濡れることなく検査を行うことができます。
また、プレハブ小屋も設置しましたので、徒歩や自転車で来院された方にも対応可能です。


新型コロナの検査が陽性の患者さまにつきましては、そのまま車内またはプレハブ小屋にて待機していただきます。
保健所に連絡して、適切に対処いたします。
保健所からは、必要に応じて感染症指定病院が紹介されるか、自宅などでの待機が指示されるものと思います。

抗原検査またはPCR検査にて陰性が確認できた患者さまについては、新型コロナ感染が否定的ですので、院内で診察いたします。
ただ、その場合でも、別の待合室を準備しております。
このように二重の空間分離をすることで、他の患者様の感染のリスクを予防することができております。安心してご来院ください。

新型コロナウイルスPCR検査についての質問と返答

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患者様からの質問です

Q.2日前に一緒にいた人が濃厚接触者と判断されたと今日わかりました。私はいつPCR検査を受けたらよいですか?今検査して感染の有無が分かりますか?

A.1回だけしかPCR検査ができないとしたら、暴露後8日目に行うと、得られる結果が最も信頼できるものになります。結果が陰性となる可能性が最も低くなるのが8日目です。

しかし、本当に濃厚接触者と濃厚接触したと思うときは、もっと早く検査していいと思います。症状がなければ、接触が分かってすぐの日と接触から14日目にPCR検査を受けることをおすすめします。

感染から発症までの潜伏期間は1日~12.5日(多くは5日~6日)と幅があるため、検査時期があまり早いと潜伏期間中の検査となります。感染途中であっても、PCR検査の結果は測定感度以下のため、陰性となってしまいます。それでも、検査して陽性と出れば、その時点で感染が分かります。

何らかの症状が出た場合はその症状が出た日が発症日です。発症の1日目にPCR検査をしても良いでしょう。その時点で結果が陽性と出れば感染はほぼ確定です。結果が陰性と出た場合は、本当に陰性の場合と偽陰性の場合があります。偽陰性とは、実際には陽性なのに結果が陰性と出る場合です。偽陰性が最も少なくなるのは暴露から8日目です。

参考文献:Variation in FAlse-Negative Rate of Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction-Based SARS-Cov-2 Tests by Time Since Exposure l Annals of internal medicine 13 May 2020

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PCR検査・抗原検査を希望される発熱患者さまの松前内科医院への受診方法について

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発熱患者さまの松前内科医院への受診方法について

①発熱に加えて呼吸器症状(せきや痰)があり、新型コロナウィルス感染の可能性が疑われる患者様については、直接来院される前に、あらかじめ当院へお電話をかけてお問い合わせくださいますようお願いいたします。電話で問診を取らせできるいただきます。

②問診の結果においても、新型コロナ感染の可能性が疑われる患者さまには、最初に抗原検査またはPCR検査を駐車場にて実施いたします。防護具をつけたスタッフがお車まで伺い、お車の中に乗車いただいたまま、鼻腔咽頭拭い液を採取いたします。インフルエンザの検査の要領です。医師からの結果説明も駐車場で行いますのでそのまま車の中に待機していて下さい。当院の医事課スタッフが携帯電話を通して、会計の方法をご説明いたします

検査には保険がききますが、保健所での行政検査とは異なり無料にはなりません。保険の種別によって1割から3割の負担があります。

PCR検査は抗原検査よりも感度、特異度とも高く、より正確ですが、結果の判明は翌日または翌々日になります。一方、抗原検査は40分ほどでわかります。料金はPCR検査の方がやや高いです。

抗原検査については、その精度の限界から、発熱後2日目から9日目の間に行うのが良いとされています。また同じ理由から、無症状の濃厚接触者(疑い)の感染の有無を調べる目的で、抗原検査を行う事は適していません。この場合はPCR検査が適しており、保険診療として実施できます。

③抗原検査が陽性の場合は、新型コロナに感染していると考えられます。医師からの結果説明も駐車場で行いますので、そのまま車の中に待機されて、院内にはお入りにならないようお願いします。医師は保健所へ連絡します。

抗原検査が強陽性の場合は、そのまま新型コロナ感染として確定されます。保健所から感染症指定病院への受診または自宅待機が指示されると思います。弱陽性の場合は、一宮保健所で行われている行政検査としてのPCR検査を再度受けられることをお勧めします。というのは、抗原検査は感度及び特異度の両者ともPCR検査にやや劣るためです。

会計の方法については、当院の医事課スタッフが携帯電話を通してご説明いたします。

④抗原検査が陰性の場合は、新型コロナ感染の可能性はほぼありません。ただ別の感染症の可能もありますので、スタッフは院内の発熱患者様用の待合スペース(イエローゾーン)にご案内します。感染症のない一般患者さまと分離するためです。診察まではそちらで待機をお願いします。スタッフは、一般感染予防のためマスク、ゴーグル、手袋を着用しています。診察室にて診察いたします。その後院内で会計となります。

⑤PCR検査の場合は、結果はすぐには判明しません(翌日または翌々日)。医師からの問診も、お会計も駐車場で行いますのでそのまま車の中に待機していて下さい。当院の医事課スタッフが携帯電話を通して、会計の方法をご説明いたします。会計はオンライン決済となります。会計後はそのままご帰宅ください。翌日の判明までは、外出を控えてご自宅で待機していただくようお願いいたします。当院では、オンライン決済に、Curone またはコイニーを使用しています。ご利用方法については、医事課職員からご説明いたします。

⑥重度の肺炎が疑われるなど、ただちに入院などの治療が必要と思われる患者様については、まず駐車場で抗原検査を行います。

抗原陽性の場合、つまり新型コロナ感染症の場合は、その治療は感染症指定病院で行うことになります。当院では治療が行えません。直ちに保健所を通して感染症指定病院へ搬送いたします。

陰性の場合は、応急処置の上、急性期病院に連絡いたします。この場合は保健所を介しません。

⑦呼吸器症状の全くない発熱患者様については、スタッフが院内の発熱患者様用の待合スペース(イエローゾーン)に案内いたします。診察室での診察まで、その場所でしばらくお待ち下さい。診察の結果、抗原検査が必要となる場合もあります。診察およびご案内するスタッフはマスク、ゴーグル、手袋を着用しています。

⑧呼吸器症状や発熱、味覚嗅覚異常などの症状がなく、新型コロナとの接触歴もない場合については、保険診療の中で抗原検査またはPCR検査を行うことはできません。

この場合、検査数に余裕があれば、全額自費にて抗原検査またはPCR検査をお受けできることがありますので、希望される方は医事課スタッフまでお問い合わせください。

全額自費の場合の料金は、PCR検査は28,853円、抗原検査は15,587円となります。(消費税を含みます)。

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