糖尿病で尿が泡立つ理由
腎臓には、糸球体と呼ばれる網目のような血管があり、血液中の老廃物・塩分をろ過しています。しかし、糖尿病となり血中のブドウ糖の濃度が高くなる（血液がドロドロになる）と、この糸球体が傷つき、網目が裂け、本来ろ過されるはずのタンパク質が尿に混じり、排泄されます。
このことにより、尿にタンパク質が混じり、尿が泡立ってしまうのです。なお、タンパク質が尿と一緒に外に出るということは、身体に残るタンパク質が減るということです。そのために、ネフローゼという栄養失調のような状態になってしまうこともあります。
その他、血糖値160mg/dl以上の高血糖になると、糖が尿に混じるようになり、このことで尿が泡立つこともあります。
その他で尿が泡立つ原因
それ以外にも、以下のようなことを原因とし、尿が泡立つことがあります。
- 夏・運動後などに発汗量が増えると、尿の粘度が高くなり、尿が泡立ちます。
- 冬・空気が乾燥しているときなどに皮膚から水分が蒸発し、かつ水分摂取量が不足すると、尿の粘度が高くなり、尿が泡立ちます。
- 腎臓疾患によって尿中にタンパク質が多量に混じると、尿が泡立ちます。
- 白血病、多発性骨髄腫などを原因として血中のタンパク質が増加すると、尿にもタンパク質が混じるようになり、尿が泡立ちます。
たくさん汗をかいた、水分摂取が不足していたといった自覚がある場合には、その改善によって尿の泡立ちも解消されます。
しかし、尿の泡立ちが連日続いているという場合には、糖尿病などの何らかの病気を疑い、早めに医療機関に相談するようにしてください。
