高血圧

こんな症状は高血圧かもしれません

高血圧の状態が続いている人は、早朝の頭痛、夜間の頻尿、呼吸困難(息苦しい)、めまい、ふらつき、下肢の冷感(足が冷える)などの症状がみられることがあります。しかし、高血圧は別名「サイレントキラー」とも呼ばれており、ほとんどの人は自覚症状が無いまま悪化していく病気です。前述のような症状が見られる場合には、高血圧によって体のいろいろなところが影響を受けていると考えられます。

高血圧とは

高血圧とは日本における高血圧の患者数は、滋賀医科大学を中心とした厚生労働省の研究班による調査データ「NIPPON DATA 2010」によるとおよそ4,300万人いると推測されており、男性は50歳以上、女性は60歳以上になるとおよそ60%以上の人が高血圧であるといわれています。

血圧とはそもそも、血液が動脈を流れる際に血管の内側にかかる圧力のことをいいます。「血圧を測る」というのは血管内の圧力を測っていることであり、心臓が血液を押し出す力(心拍出量)と血管の抵抗で決まります。
収縮期血圧が140mmHg以上もしくは拡張期血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。しかし、一度測定して高かったからすぐに高血圧となるのではなく、日や時間を変えて何度測っても血圧が高い場合を、高血圧といいます。

高血圧の種類

高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧の大きく2つの種類があります。日本人の場合、高血圧の人のおよそ8~9割が本態性高血圧です。

本態性高血圧 遺伝的な要因(いわゆる体質)、塩分の摂り過ぎ、肥満、アルコールの多量摂取、喫煙、食生活の乱れ、ストレス、運動不足、加齢、疲労など、生活習慣を含むさまざまな要因が組み合わさることで起こります。特に中年以降で、親兄弟などに高血圧の人がいると、起こりやすいです。
二次性高血圧 腎臓の働きが悪くなって塩分と水が体の中に増える、内分泌腺の病気によって血圧を上げるホルモンが増える、血管に病気、お薬の影響などによって起こるといわれています。

また、高血圧には、白衣高血圧と呼ばれるものもあります。これは、診察室で医師や看護師に測ってもらった血圧は高いが、自宅などの環境で測れば正常という状態で、白衣の医療者を見ることで、緊張のあまり一時的に血圧が上がってしまうことが原因と考えられています。診察室で測った血圧が140/90以上で、家庭での血圧が135/85未満を示す場合が白衣高血圧です。
逆に、診察室での血圧は正常範囲で自宅での血圧が高い場合もあり、これを仮面高血圧といいます。

遺伝的に血圧が高いことを家族性高血圧と言います。実際に遺伝子が同じ一卵性双生児について高血圧を調べた研究結果から、高血圧の発症に関係しているのは、遺伝因子60%、環境因子40%であることが分かっています。

高血圧の検査と治療

高血圧の検査

高血圧の検査高血圧の検査の基本は血圧の測定です。診察でも血圧を測定しますが、前述の白衣高血圧の場合は、血圧が通常より高くなることがあります。そのため基本的には自宅で毎日同時刻に測った血圧を記録していただき、その結果をもとに診断をすることが多くなります。
他にも、特殊な機械を装着して10分前後ごとに血圧を測る「24時間血圧測定」という検査や眼底検査で血管の状態のチェック、心電図検査、胸部レントゲン検査、血液や尿の検査を行い、高血圧の原因や合併症の有無を調べていきます。

高血圧の治療

高血圧の治療は一般的に、日常生活の見直し(食生活、運動など)を行いながら、必要に応じて降圧薬と呼ばれる血圧を下げるお薬による治療を行います。食事内容や運動についての指導を受けていただくほか、飲酒や喫煙を控えていくように指導を行います。また、血圧が高くなる原因となる病気がある場合には、その病気の治療も併せて行うこともあります。
>日本高血圧学会 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話

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