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3型・4型糖尿病はあるのか?

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🔍 背景:糖尿病の分類はどうなっているの?

日本糖尿病学会(JDS)やアメリカ糖尿病学会(ADA)では、糖尿病は次のように「原因」によって分類されています。

① 1型糖尿病:自己免疫などによってインスリンが出なくなる
② 2型糖尿病:生活習慣や遺伝の影響でインスリンの効きが悪くなる
③ その他の特定の原因による糖尿病:(例)遺伝子の異常、膵臓の病気、薬の副作用など
④ 妊娠糖尿病:妊娠中に初めて見つかる糖尿病

このように、公式には「番号」ではなく、「原因による4つの分類」が世界的な標準です。

 

📘 「3型」「4型」はどこから来たの?

「3型糖尿病」という言葉は、以下のような場面で一時的に使われることがあります。

・アルツハイマー病は、脳の中でインスリンがうまく働かないという特徴があり、「脳の糖尿病」と呼ばれることがあるため「3型糖尿病」と例えられることがあります(比喩的な表現)。
・また、遺伝性の特殊な糖尿病(MODYなど)や、薬や病気による糖尿病をまとめて「3型」と呼ぶ文献もあります。

「4型糖尿病」は、妊娠中に診断される「妊娠糖尿病」をそう呼ぶこともありましたが、現在は「妊娠糖尿病(GDM)」という名称が使われています。

 

📝 まとめ

・「3型糖尿病」「4型糖尿病」という名称は、今のところ日本糖尿病学会やアメリカ糖尿病学会では使われていません。
・公式には「1型」「2型」「その他の原因によるもの」「妊娠糖尿病」の4つに分類されています。
・「3型」「4型」は、説明の便宜上使われることはありますが、正式な病名ではありません

糖尿病にはいろいろな原因やタイプがあります。名称に惑わされず、ご自身の病気がどのタイプで、どんな治療が必要なのかを一緒に考えていくことが大切です。疑問や不安があれば、いつでもご相談ください。

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