院長ブログ

抗糖化対策と補完療法

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■ AGEsとは

  • AGEs(終末糖化産物)は糖とタンパク質などが非酵素的に反応してできる有害物質です。
  • 炎症や酸化ストレスを引き起こし、糖尿病性合併症や動脈硬化、アルツハイマー病などに関与します。

■ 糖尿病との関係

  • 高血糖によりAGEsが過剰産生します。
  • 血管や神経に障害を与え、疾患の進行を促進します。

■ 測定と臨床意義

  • 皮膚自家蛍光(SAF)などで非侵襲的に測定可能です。
  • AGEsの蓄積は慢性合併症リスクの指標になります。

■ 抗糖化の生活指導

  • 高GI食品や加熱加工食品を控えるとよいです。
  • 食物繊維・抗酸化食品を積極的に摂りましょう。
  • 運動・睡眠でインスリン感受性や炎症抑制を図ります。

■ 栄養補助成分の役割

  • 5-ALA:ミトコンドリア機能改善・血糖コントロール・AGEs抑制します。
  • CoQ10:抗酸化作用で腎症・心血管保護します。
  • NMN:NAD+増加により糖代謝・炎症抑制します。

■ 補完療法としての意義

  • 標準治療に加えて使用します。
  • QOL向上や合併症予防に寄与します。
  • 今後はエビデンスに基づく活用指針の整備が必要です。

糖化と老化の関係

■ 糖化(AGEs)は老化の「主要因のひとつ」

  • AGEs(終末糖化産物)の蓄積は、老化に深く関与していますが、「〇%関与」といった明確な割合の科学的根拠は未確立です。
  • 老化は 糖化・酸化・炎症・エピジェネティクス・ミトコンドリア低下 などの要因が連鎖的に絡み合って進行します。

老化要因の再評価

老化因子

概要

老化への関与(目安%)

エピジェネティクスの変化

DNAメチル化・ヒストン修飾のゆがみ

25~30%

酸化ストレス

ROSによる損傷

20%前後

糖化(AGEs)

タンパク質劣化・炎症誘発

15~20%

ミトコンドリア機能低下

エネルギー低下・ROS産生

10~15%

テロメア短縮

細胞分裂限界

5~10%

慢性炎症・免疫老化

サイレント炎症・免疫機能低下

10~15%

タンパク質恒常性破綻

異常タンパク質蓄積

5%前後

老化に関わる5大因子

①エピジェネティック変化

 ・遺伝子のON/OFFのズレ → 修復力・免疫・代謝が低下します。

②糖化(AGEs)

 ・タンパク質が糖と結びつく → 肌や血管の劣化、老化促進させます。

③ 酸化ストレス

 ・活性酸素による細胞損傷 → がんや動脈硬化のリスクが増加します。

④ミトコンドリア機能低下

 ・ATP産生低下&活性酸素増加 → 全身の老化を加速させます。

⑤慢性炎症

 ・自覚のない炎症が続き、臓器機能をじわじわ低下させます。

老化は“悪循環”

・例:糖化 → 酸化 → エピジェネティクス異常 → ミトコンドリア低下 → 慢性炎症 → 再び糖化…

  • 各要因が互いに影響し、老化のループが形成される。

 結論

糖化は老化を促進する一因にとどまらず、他の老化因子とも連動して悪循環を生む重要なターゲットです。糖化対策は、老化予防のカギの一つといえます。

 

 

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